【公開講座】「薬膳お菓子を楽しむⅢ(第11回)」が行われました
4月14日(木)、公開講座「大村先生の薬膳お菓子を楽しむⅢ」の第11回目が行われました!
今回は昨年6月にコロナウイルス感染拡大の影響で延期となった講座の振替でした。
氷室から切り出した氷をイメージして三角形に形作られた葛のお菓子水無月と
芋のほのかな香りと、しっとりとした食感が特徴である薯蕷きんとんを作りました。
(長芋を使うものを薯蕷きんとんといいます。)
☆実習メニュー☆
●水無月
京都では昔から6月の暑気払い(水無月祓い)に作られているお菓子で、
6月後半にはどこのお菓子屋さんもこのお菓子で溢れます。
冷蔵庫もない時代、宮廷の貴族たちの間で氷で邪気を祓う風習があり、
氷は貴重で口にすることが出来ない民衆は、白く三角形の形をしたういろうを氷に見立て、
邪気を払うとされた小豆と一緒に食べて代用していたそうです。
はじめに砂糖と水を溶かし、粗熱をとっておきます。
次に白玉粉に水を少しづつ加え、練っていきます。
そこにくず粉を加えてなめらかな生地にし、初めに作った砂糖水を加えます。
白玉粉とくず粉は一気に入れず、こうやって順に入れていくことがよりダマにならない
美味しいういろうの生地が出来るポイントです。
砂糖、上用粉、小麦粉をふるったものを混ぜ合わせ、一部別容器にとり、
加熱しとろみがついたら角枠に流しこんで蒸します。
かのこ大納言(小豆)を散らします。小豆は排尿により体内の余分な水分を取り除く効果がある
と言われています。梅雨の湿気の多い時期に取り入れるとよいでしょう。
大納言を散らした上に先ほど取り分けた残りの生地を流しこみ、更に蒸します。
蒸しあがったら蒸し器から出して冷まし、切り分けます。
もちもちとした食感が特徴の水無月。今年は一年の折り返しである6月30日に、
それまでの半年の災い祓いとこれから半年の無病息災を願って召し上がってみてはいかがでしょうか?
・薯蕷きんとん
今回のテーマは「陰虚証の薬膳」。陰虚証とは臓腑の機能が低下し、
津液・精・血などの陰液が足りなくなる症候です。
滋陰作用が低下することで内熱の症状も現れることが多くみられます。
はじめに百合根を蒸して柔らかくし、リンゴジャム・蜂蜜と一緒にさっと煮ます。
熱を冷ましたら、等分して丸めます。こちら中餡となります。
リンゴは涼性で甘味を持ち、脾・胃・心の熱を取り、潤します。
次に長芋を蒸して裏ごしします。
長芋は平性で甘味を持ち、脾・肺・腎を補いながら滋養します。更年期の不調などによい食薬です。
今回は初めてご参加の方が何名かいらっしゃいました。
こちらの講座では毎回、ベテラン受講生様と新人受講生様がペアを組み、
一緒に作業を進めていきますので初めてご参加される方も安心してご受講出来ます♪
裏ごしした長芋は白あんと混ぜ、電子レンジで加熱し水分を飛ばし、水あめを混ぜて加熱。
それが冷めたらきんとん篩で裏ごしします。
きんとん篩がない場合はご自宅にある金属網にて代用することが出来ます。
使用する網によってそぼろ餡の大きさに違いが出てくるのも面白いですね。
こちらの講座では、基本的に全過程をご自身で体験できるよう構成され、
なるべく特別な道具や材料を使わずに、
初心者の方でもご自宅で気軽に失敗なく再現出来るよう考慮してあります。
そして、いよいよ一番の難関、そぼろ餡を中餡に貼り付けていく作業です。
大村先生が和菓子の仕上げに使用する、細工用のきんとん箸をご紹介くださいました。
このお箸は先端が非常に細い仕上げになっているのが特徴です。
仕上げの際に生地をすくいとっても、箸の跡が残りにくくなっています。
一般的な箸は先端が太いため細工に不向きですが、
細く削りだしたようなこの形状だからこそ繊細な作業が可能となっています。
まずは大村先生のデモンストレーションを見てから実践!
そぼろ餡は中餡に箸で突き刺すように貼り付けていくのがポイントだそうですが
力を入れすぎるとそぼろがつぶれてしまい、力加減が難しい様子。
しかし、最後には皆様、こんなに上品な薯蕷きんとんが出来上がりました!
☆次回開催予定☆
日時:2022年5月12日(木) 10:00~12:00
テーマ:夏の薬膳
メニュー:
・青梅、びわ
・まめ豆羊羹
受講料:4,500円
講師:大村和子 国際薬膳師・裏千家茶道教授
辰巳洋・大村和子共著『薬膳お菓子』好評発売中!
お申込みはHPよりお願いいたします。
https://honzou.jp/form-reservation
単発でのご参加も可能です。
皆様のご参加を心よりお待ちしております\(^^)/
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