北京中医薬大学教授から紹介していただき、迷わず本草薬膳学院を選びました
中医薬膳師 通学コース 卒業
当学院:簡単な自己紹介をお願いします。
富川さん:富川美栄(とみかわみえ)です。とみかわ医院でマネージャーとして勤務しています。
中医薬膳師コース福岡教室第3期生として本草薬膳学院を卒業し、国際薬膳師の資格を取得しました。薬膳分野以外にもホスピタリティに関する資格も所有しており、自身の事業に役立てています。
当学院:薬膳を学ぼうと思った動機、きっかけを教えてください。
富川さん:私は食べることが大好きな家族、料理することが大好きな曾祖母や祖母、母に囲まれ育ちました。
子供の頃を思い起こすと、曾祖母から空豆の剥き方を教わったり、畑で祖父と一緒に野菜をちぎったり、祖母が胡麻を煎る作業を見ながらなぜ煎った方が美味しくなるかを教えてもらったり、母がババロアを作る側で泡立て器についたホイップクリームをもらったりしたことなど、「食」の思い出がたくさんあります。母の手料理に囲まれたハレの日の写真を見ると、家族の愛情を感じます。
このような経験から日々の食を「作る・いただく」ことは人をつくる根本なのではないかと感じるようになり、身近な「食」をまずは自分の家族の健康に活かしたいと思ったことがきっかけです。
当学院:日本に薬膳を学ぶ学校は増えていますが、その中でも本草薬膳学院を選んだ理由、学院ならではの魅力はなんですか。
富川さん:当時勤務していた職場(医科大学)で西洋医学と東洋医学の融合を目指した国際交流部門を立ち上げる事となりました。その部門の担当者の一員として北京中医薬大学との相互交流を担当することになり、中医薬に関する知識や手技などに触れる機会をいただきました。
短期留学や出張の補助などで何度も現地で学ぶという贅沢な環境に身を置くこととなり、だんだんと中医学が身近で興味深く魅力的な学問だと感じるようになりました。また同時に、北京中医薬大学では学生に講演をさせていただくこともありました。
5年間の勤務を経た後、結婚を機に退職することとなりましたが、せっかく出会った中医学をより深く知りたいと考えるようになりました。そんな時、在職中にお世話になっていた北京中医薬大学教授から辰巳先生を紹介していただき、迷わず本草薬膳学院を選びました。
実際の学習では、難解な中医学の基礎から応用までを理論立ててしっかりと学ぶことができました。卒業してもなお基礎の大切さを実感しています。
当学院:学習の中で最も印象深かったことはどんなことですか。
富川さん:受講生と先生が一緒に調理をすることが楽しく勉強になりました。
食薬の扱い方を学ぶと同時に、料理の勉強にもなりました。完成したお料理はどれも美味しく、毎回の講義を非常に楽しみにしていました。
当学院:本草薬膳学院で学んだことを現在どのように活かしていますか。また、今後どういった活動をしていきたいですか。
富川さん:2020年9月に主人と共に胃腸内科、乳腺外科、皮膚科を標榜する「とみかわ医院」を開院しました。
待合室には、医院のシンボルとも言える医学史の偉人をとりあげたオリジナルのステンドグラスが4つあります。そのうちの一つは、中医学の医聖 張仲景と杏をモチーフとしたものです。
私は患者様のご希望に応じて管理栄養士の栄養指導に薬膳的な助言者として参加したり、院内でどなたでも参加できる無料の薬膳セミナーを開催したりしています。院内に設けた薬膳キッチンでは、季節や体調に応じた薬膳茶もブレンドし提供しています。
また、開院と同時に中医師の先生方に定期的に勉強会を開催していただく機会にも恵まれ、医師や看護師をはじめスタッフ全員で臨床に直結した中医学を学ぶことができました。
現在、当院では漢方処方だけではなく舌診を取り入れるなど、望聞問切(中医学における四つの診断方法)で日々の診療に中医学を活かしています。
これまでに地元テレビ局の長寿番組「とっても健康らんど」に4回出演する機会をいただいたり、新聞や雑誌に掲載していただいたりと、多くの方に中医薬の魅力と可能性を伝える活動を行っています。
今後も、「薬膳」を通して西洋医学と東洋医学の融合を目指し、より健康で楽しい生活のお手伝いができる存在となりたいと考えています。
当学院:これから薬膳を学ぼうと考えている方へのメッセージをお願いします。
富川さん:私について言えば、スーパーで食材選びに迷ったときは家族の体調に合わせた食材を選ぶようになりました。また、漢方薬を見ると食材に置き換えどのようなメニューができるかを想像してみることが癖になりました。
「薬膳」の学びは、楽しく終わりのない旅のようです。皆さんにとりまして、日常がより豊かで楽しいものになりますようお祈りしています。
富川 美栄
中医薬膳師コース福岡教室第3期卒業
/研究科コース所属
国際薬膳師
「とみかわ医院」 https://tommys-clinic.jp/
★張仲景のステンドグラスは、いつでもご覧いただけます(写真撮影も可能)。お近くにお越しの際はどうぞお気軽に医院へお立ち寄りいただけましたら幸いです。
「Adorlife」 https://www.adorlife.jp/
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