身近なところから始めたい方から、学問として探求したい方まで、自分のスタイルで勉強できる
国際中医師研究科コース 卒業
当学院:簡単な自己紹介をお願いします。
岡尾さん:本草薬膳学院 中医薬膳師第13期土日コース卒業生の岡尾知子(おかおともこ)です。
通学コースを2011年に卒業し、国際薬膳師試験に合格。2013年に国際中医師試験に合格。中医臨床、薬膳処方、傷寒論と金匱要略などなど、いろいろな研究科コースで勉強しました。学院での勉強を続けながら、東京渋谷区南青山の「TUMUGU東京青山」にて薬膳教室を4年余りにわたり担当。本草薬膳学院の認定教室として「ロータス薬膳教室」を主宰し、家庭薬膳アドバイザーの教育に取り組んでいます。
2018年、東洋鍼灸専門学校入学。2020年にはり師・きゅう師の国家資格を取得。現在、鍼灸師として臨床にあたりながら、ワークショップ、雑誌、WEBサイトなどで東洋医学の普及啓発活動を行っています。今年(2022年)、鍼灸に薬膳を取り入れた自身の治療院「つぼみ堂はりきゅう院」を開業予定です。
当学院:薬膳を学ぼうと思った動機、きっかけを教えてください。
岡尾さん:フリーランスの編集者として、長年、女性誌を中心に、健康・美容・ダイエットをテーマにした記事・単行本をつくってきました。西洋医学、東洋医学、栄養、心理学、スポーツトレーニングなど、さまざまな分野の専門家を取材。その中で、人の体を、自然界をも含めた「全体」からとらえる東洋医学の思想に興味を抱きました。
薬膳について知ったのも最初は雑誌の取材でした。〝ストレス〟と一言で片づけられる精神的な動きを〝7つの感情〟に分けて考えたり、酸・苦・甘・辛・鹹それぞれの〝味〟に機能があったり、五臓が西洋医学の内臓の機能とは違っていたり……。自分が知っている栄養学や医学とは全く異なる思想があることに興味津々となり、専門的に勉強してみたいと思うようになりました。
当学院:日本に薬膳を学ぶ学校は増えていますが、その中でも本草薬膳学院を選んだ理由、学院ならではの魅力はなんですか。
岡尾さん:学院に入る前に、カルチャーセンターのようなところで漢方医学の一般向けの講座を受けたことがありました。また、独学で本も何冊か読んでいたので、とにかく本格的に勉強できるところを探しました。2つの学校を見学して「本草」に決めたのですが、決め手はテキストがしっかりしている点でした。私は編集者ですので、満足のいくテキストをつくる大変さはよくわかっています。現在も使われている中医薬膳師コースの教科書は、中医学、薬膳の基本がとても詳しく網羅されていて、まずそこに一目ぼれ! それに沿った授業を受けられるということで、期待が高まったのを憶えています。
本草薬膳学院の魅力は、とにかく専門的にしっかり学べるところです。また、日本では入手しにくい薬膳素材にも触れることができる点ですね。「身近なところから始めたい」という方から、「学問として探求したい」という方まで、自分のスタイルで勉強できるのではないかと思います。
当学院:学習の中で最も印象深かったことはどんなことですか。
岡尾さん:印象深い授業はいろいろあるのですが、いちばん印象深いのは、研医図書館の阿部郁子先生が5回にわたって講義してくださった特別講座「中医学の日本に及ぼした影響と日本医学の発展の歴史」です。1回、どうしても仕事で出席できなかったのが、今でも悔やまれます。
私たちが本草薬膳学院で学ぶのは、まさに中国の「中医学」ですが、日本の漢方は、それとは違った歩みで今に至り、方剤の考え方や診察方法などなど、異なる点が多々あります。そうした経緯を非常にわかりやすく説いていただき、漢方史を語る上で重要な人物たちの横顔にも触れることができました。
受講したのは、確か国際中医師試験に挑戦した後だったので、頭が中医学一色になっている時期。日本における東洋医学の歩みを知ることで、非常に視野が広がりました。
当学院:本草薬膳学院で学んだことを現在どのように活かしていますか。また、今後どういった活動をしていきたいですか。
岡尾さん:現在、勤務する鍼灸院では、会員の方にお体の状態に合ったお茶を差し上げています。お茶のチョイスは薬膳に詳しい私が行い、それぞれのお茶の効能はスタッフに共有しています。また、昨年、『はじめての薬膳生活』(法研)という著書を出版。薬膳の根底にある中医学の考え方をお伝えする内容が非常に好評のようで、雑誌の取材やコメント依頼なども舞い込んでおります。
鍼灸師となり、患者さんのお体を診るようになると、改めて「不調は生活の中から生まれる」ということを実感します。日々、施術を行っていますが、私のベースは編集者であり、薬膳であることに変わりはありません。今年は、自身の拠点となる治療院をオープンする予定ですので、そこを中心に、執筆活動、中医薬膳の教育活動にも力を注いでいきたいと思っています。
当学院:これから薬膳を学ぼうと考えている方へのメッセージをお願いします。
岡尾さん:私が学院に入学したのは今から10年以上も前。その頃と比べると、薬膳に興味をもつ人は非常に増えていると思います。その一方で、世の中に存在する「薬膳」が玉石混交になっているのも事実。勉強のスタートに際しては、しっかり基礎を学べる学校を選ぶことをお勧めしたいですね。
学院で勉強する薬膳は、中医学をベースにしていますので、最初は少し難しいかもしれません。でも、1年学んでわかってくると、薬膳・中医学の中に、人生そのものを豊かにしてくれる要素がたくさんあることを発見できます。若い人も、年齢を重ねた人も、子供を持つ人も、仕事で多忙な人も、今の自分、未来の自分を養うためのヒントを、きっと得られると思います。興味があるならぜひ、学びのドアを叩いてみてください。
岡尾 知子
中医薬膳師(東京本校)第13期土日コース卒業
/研究科コース卒業
国際薬膳師、国際中医師、鍼灸師、本草薬膳学院認定講師
「ロータス薬膳教室」 https://www.lotus-yakuzen.com/
「薬膳ノート」 https://www.yakuzennote.com
☆岡尾さんが当学院で講師を務める講演の情報はこちらから
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