第2回国際東方薬膳食療学術シンポジウム及び
第1回『東方食療と保健』雑誌編集委員会
2004年8月9日~13日上海で開催された。今回は、2002年に開催された香港大会に続き、2年ぶりに国際東方薬膳食療学会(香港)と上海薬膳協会の共催として行われた。
この2年間、中医学には大きな進展があった。1つは、SARSの流行に対して、中医学の優れた治療効果と中西医結合によって死亡率を下げるなどの成績を上げ、改めて中医学が注視されるようになったことである。もう1つは、飲食が病気の発生や進行に大きく影響することが人々に注目されるようになったことである。そんな中で薬膳が以前にないほど重視され始め、進展してきている。
開幕式で、湖南中医薬研究院院長の蔡光先教授は、この2年間の中医薬事業の歩みについて述べた後、今後の研究の展開について、個人あるいは小規模な範囲では大きく発展する可能性は少なく、成功するためには各分野、各国の専門家の交流と協力が不可欠であり、そうすれば薬膳が一層発展するだろうと述べた。また、上海中医薬大学巌世藝学長も大会で祝辞の言葉を述べた。
日本からは本草薬膳学院顧問の鷲見美智子氏が薬膳の角度から日本料理を分析した報告を行った。特に刺身料理については、季節感・包丁さばき・盛付けを大切しながら薬味も重視する点に注目した。例えば、紫蘇・わさび・生姜を必ず刺身と一緒に出すことは中医薬の配合七情に類似している。また、同学院の副学院長の勝本海詠氏も中西医結合の穀菜膳を紹介した。
国際東方薬膳食療学会(香港)の陳抗生会長(香港)および譚興貴会長(湖南)が、この十数年来の中医薬膳分野での経験をまとめ、この分野で貢献した各学者・研究者・教育者の努力を高く評価し、「国際薬膳食療大師」と「国際高級薬膳食療師」の栄誉証書(称号)を贈ることを決めた。「国際薬膳食療大師」には、南京中医薬大学学長項平教授を始め、翁維健(北京中医薬大学)・孟仲法(上海薬膳協会会長)・叶錦先(福建中医学院)・竇国祥(東南大学)・王者悦(長春中医学院)の6名が選ばれた。また、日本の難波恒雄氏(故人)が中薬・薬膳分野において何十年もの歳月をかけ、研究・教育したことが高く評価され、「国際薬膳食療大師」の称号が特別に贈られることになった。
「国際高級薬膳食療師」は、彭銘泉(四川)を始め38名に贈られた。日本からは本草薬膳学院学院長の辰巳洋氏と富山薬膳研究会会長の大島正文氏が選ばれた。
最後に、中国・香港・マカオ・日本・韓国など約200名の参加者から、これからは国際舞台で互いに交流を深め協力し、共に中医薬・薬膳食療における輝かしい未来を築こうと誓った。
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