【訃報】山岡洋先生がご逝去されました
本学院講師の山岡洋先生が4月25日に肺がんのために逝去されました(享年81)。
山岡先生は横浜で生まれ、戦争中に疎開した新潟で育ちました。1950年代の高度経済成長期、15歳のときに集団就職で上京し、さまざまな職業を転々としたのち、中国料理の料理人の道に入りました。見習いから始めて何十年もかけて腕を磨き、小田急ハイアットリージェンシー東京(五つ星)のシェフ兼総料理長にまで上り詰めました。1996年には、人気テレビ番組「料理の鉄人」で三連覇の坂井宏行氏を破って「料理の鉄人」となり、2012年には「卓越した技能者(現代の名工)」として厚生労働省から表彰されています。
私は、20年以上前に山岡先生の料理を初めて食べて以来、その料理にすっかり魅了され、深い親交をもつようになりました。
ホテルを定年退職後には、本学院の料理の顧問と中国薬膳料理の講師を快く引き受けてくださり、10年以上にわたって本学院を支援し、協力してくださいました。同時に、ご自宅でレストランと料理教室を開き、一流ホテルの味を一般に広めるために尽力されていました。
山岡先生の座右の銘は「口福」で、料理を食べた人に満足してもらうことを常に第一とされていました。細やかな下ごしらえの技、美味しくなる調理の方法、上品な器の使い方など、料理の素晴らしい世界を学生たちに惜しみなく伝えてくださいました。先生の料理に対する情熱は、学生のみなさんにも感動を与えたことと思います。その「口福」の香りはいつまでも残ることでしょう。
山岡洋先生、大変お疲れさまでした。どうぞこれからはゆっくりお休みください。
本草薬膳学院 学院長
辰巳 洋
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