【公開講座】「イタリア薬膳料理講座(第4回)」が行われました!
2月28日、公開講座『新田先生のイタリア薬膳料理講座』の第4回目が行われました!
今回のテーマは「便秘に対するイタリア薬膳」。
こちらの講座は調理実習前にその日のテーマに関する中医学理論の講義があります。
今回は臓腑と便秘の関係、便秘の病因病機、便秘によく用いる食材と中薬についてのお話がありました。
便秘には様々な原因があり、原因によって対処方法もおすすめ食材も変わります。
きちんと原因を見つけて、改善することが大切です、と新田先生。
調理実習のメニューはそれぞれの便秘のタイプ別にメニューを考案されました。
☆かぶの詰め物
かぶの中に、玉ねぎ、グリンピース、陳皮、鶏挽肉、パルミジャーノ、卵などを詰めてオーブンで焼きます。
こちらのメニューはストレスや運動不足などで気の流れが悪くなり、腸の運動が鈍くなっている方にお薦めです。
かぶにナイフで切れ目を入れて、実をくり抜きます。
くり抜いた実はみじん切りにし、くり抜いたかぶとグリンピースを茹でます。
茹であがったかぶの器の中にそれぞれ丁寧に下ごしらえした鶏ひき肉グリンピースや炒めたみじん切りのかぶ・玉葱、陳皮、などの具材を詰め、オリーブオイルを回しかけ、オーブンで焼きます。
かぶの茎の部分はふたとなります。
気を補い、巡らせてくれる食材が消化を促してくれるかぶに詰まった、
宝箱のようなかわいい詰め物が出来上がりました!
☆かぼちゃのニョッキ
かぼちゃ、じゃがいも、米粉でニョッキをつくり、バターとセージで和え、
パルミジャーノをふりました。
疲労、病後、老化などにより、気が不足し、排便する力がない方にお薦めです。
蒸したかぼちゃとじゃがいもを裏ごしし、塩とナツメグ、卵を割り入れて混ぜます。
米粉を3回に分けて加え、ふんわりと混ぜ合わせます。
生地を一つにまとめ、打ち粉をしながらロープ上に伸ばし、2㎝ぐらいの長さに切ります。
ニョッキの作り方にはいくつかのおいしく作れるポイントがあり、
新田先生が実演しながら丁寧に教えてくださいました。
皆様、作業中の手を止めて集まり、真剣に先生のデモに見入ってます。
沸騰したお湯に入れて茹で、溶かしたバターとセージ、塩と一緒に和え、
お皿に盛ったあと、最後にパルミジャーノをかけます。
小麦粉ではなく米粉を使用するのは気を補う力を高めるため、と新田先生。
同じく気を補う甘味のかぼちゃとじゃがいもを使用し、
体の内側からパワーが湧いてきそうですね。
セージの爽やかな香りが心地よい、絶妙なもちもち食感!
手作りで茹でたてのニョッキは格別な美味しさでしょう。
☆ほうれん草入りポークロール
ほうれん草、くるみ、パルミジャーノをを豚ロース肉で巻きます。
疲労、病後、熱が出た後などに、血や水分が不足し腸内が乾燥している方にお薦めです。
豚肉は体の中の水分を滋養してくれます。
体内の乾燥が気になるとき、お肉は豚肉を選ぶと良いでしょう。
また、ほうれん草は血を補い、体を潤す効果、
胡桃とチーズは腸を潤し、排便を促す効果が期待できます。
新田先生がご自宅にあったパルミジャーノを豚肉に巻いて作ってみたら
相性が良く、とてもおいしかったので、今回のレシピに取り入れたそうです。
新田先生はチーズにも精通しており、メニューごとに最適なチーズをセレクトされていらっしゃいます。
様々な種類のチーズを楽しめるのもこの講座の特徴です。
転がしながら全体を焼き、白ワインとローズマリーを加え、蒸し煮にします。
付け合わせはニョッキで使用したかぼちゃの皮とかぶの葉っぱのソテーです。
食材を余すところなく丁寧にいただく薬膳の「一物全食」という思想を取り入れています。
☆パイナップルケーキ
パイナップル、小麦粉、オリーブオイルなど熱を冷ます食材を使っています。
体質や辛いもの脂っこいものの取り過ぎ、熱が出た後などで、腸に熱がこもり、
水分が不足している方にお薦めです。
まずは絶妙な火加減とスピードを要するカラメル作りからスタート。
出来たカラメルの上にパイナップルを敷き詰めます。
パイナップルには熱を取り除き、排便を促す効果が期待できますので腸内が熱により津液が奪われ、
乾燥したことが原因である便秘には最適な食材です。
それぞれ下ごしらえしたバターやオリーブオイル、きび砂糖や卵、粉類を入れ混ぜて生地を作りオーブンで焼きます。
焼きあがったらすぐに逆さにしますが、緊張の一瞬ですね!
生地の中にはパイナップル缶の汁も加えてあります。
カラメルのほろ苦さとパイナップルの甘酸っぱさが抜群な相性です。
☆ハーブティー
・コリアンダーシード(香草の種子)
・ダンディライオンルート(セイヨウタンポポの根)
・フェンネル(茴香の種子)
を1:2:1 の割合で配合したハーブティーです。
便秘や消化不良があるときは気分がすぐれないことも少なくありません。
お茶で手軽に不快な症状が緩和できるといいですね。
便秘に対する薬膳メニュー
・かぶの詰め物 ・かぼちゃのニョッキ
・ほうれん草入りポークロール ・パイナップルケーキ
便秘は単なる不快感だけでなく、ときには大きな病気の原因になってしまうこともあります。
病院に行くまででもないけれども不調を感じやすい便秘、
日々の食養生でしっかりケアして、体の健康を維持しましょう。
次回は4月25日(月)、『イライラに対するイタリア薬膳』が開催されます。
お申込みはHPもしくはコチラよりお申込みください。
単発でのご参加も歓迎です。皆様のご参加を心よりお待ちしております\(^o^)/
【2022イタリア薬膳料理講座】
日時:2022年4月25日(月)10:00~13:00
テーマ:イライラに対するイタリア薬膳
場所:本草薬膳学院 教室
受講料:6,000円
講師:新田 玲子
イタリア料理家、国際薬膳師・国際薬膳調理師、イタリア語講師。通算8年イタリアで暮らし、滞伊中、イタリア家庭料理研究家、野尻奈津子氏より料理を学ぶ。帰国後2005年よりイタリア料理の会「TIRAMI SU’(ティラミス)」を主宰。2010年より本草薬膳学院にて公開講座として薬膳イタリア料理講座を年6回受け持ち、薬膳イタリア料理レシピは200以上にのぼる。
2020年『イタリア薬膳ごはん 体の不調とおさらばできる』講談社 イタリア食文化文筆・翻訳家 中村浩子共著出版。好評発売中!
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