穀菜膳が生まれた経緯について

  私は栄養士でありながら現代栄養学的食事法で体をこわし、180度転向して、20年前より玄米菜食で体を立て直し、マクロビオティックをまじめに実践し、人にも勧めアトピーなど体質改善に良い結果を出してきました。
 飽食をしてきた人の体を立て直すのに玄米正食は効果的です。正月などで食べすぎをした後、反動で何も食べたくなくなり気力が落ちたとき、玄米を良くかんで小食にし、みそ汁一杯の生活をすると、すぐ元気が回復してきます。
 これはプラスの栄養学ではなくマイナスの栄養学で体を立て直すからです。それと主食が玄米だと良く噛むことの効能とか、繊維が腸壁を刺激して、便通を良くする等の効果がでることによるものです。
 このような経験からマクロビオティックの良さもわかるのですが、一番指導に苦労したのは、食べ物が豊富な時代に粗食を強いるところでした。これは家族や対人関係に摩擦を生じ、精神的ストレスからマイナスの要因となることも大きかったのです。
自分自身が自覚して受け入れる場合はいいのですが、一般の人に指導するとなると非常に難しく、自然食愛好家どまりの食事法となってしまうのです。
 なぜ玄米菜食がいいのか、陰陽で解いていく理論に納得をさせられるのですが、これでいいのかと違う角度から玄米菜食を見る必要を感じ、同じ陰陽で語るなら本場の中国の医学を素直に学んで見ようと中医栄養学 薬膳学に縁をもったのでした。
それによって得たことは、食事の改善は健康の為だけでなく、家族の絆や人と人との和を深めるためにもあり、時代の背景の中で受け入れられるよう幅を持って調和して食べることの大切さでした。
 これからのより良い食生活を考えるとき、主食改善をしなければいけないということ。
動物性食品の摂取量を控えること。 薬膳理論を取り入れて陰陽の調和、食べ合わせ、毒消しを取り入れること。 また食物は環境をも含めて考えることが必要です。 
 玄米菜食や薬膳を栄養学的に研究・解明し安心して取り入れられるように図ることは病める現代の食生活を救う正しい栄養学の発展につながると思うのです。
 本草薬膳学院中部校ではこの三つを融合した食生活を「穀菜膳」として勧めていこうと考えています。