学生の声

シリーズ 学生の声Q


薬膳と食生活国際学術シンボジウムに参加して


通信コース 横山蓮喜

 10月29日朝、新潟から東京行きの新幹線に乗って、(初めて参加する薬膳に関わる国際シンポジウムって、どんなものだろう、私は通信コースで夏期スクーリングにも参加できず、知り合いもあまりいないし、親睦会パーティを含めて、楽しい一日になるだろうか)と、期待と少しの不安を持っていました。
 いざ学士会館の会場に着いたら、次々と続く講演を聞いたり、お昼休憩時間は美味しい薬膳弁当後、販売コーナで薬膳の本を買ったり、刺五加茶を買ったり、薬膳コンテスト写真展示コーナを一周して、展示写真を見たり、午後の講演を聞いて、クラシック演奏を聴いて、記念写真撮影をして、懇親会パーティに参加して、などで一日が早く過ぎました。いろんな分野の11名講演者の講演の内容は専門性が強く、理解しにくい内容もありましたが、理解できる内容の講演は本当に良い勉強になりました。
 米国カリフォルニア人間科学大学院大学客員教授高橋周七博士の基調講演『コラーゲン・杜仲茶・高麗人参の薬膳効果とそのメカニズム』は、日米共同のスペースシャトルの無重力実験で雛の骨が脆くなっていて、原因は骨のコラーゲンが減少しているからだったこと、宇宙から帰還した宇宙飛行士が無重力状態の中でコラーゲンが衰えてしまって、筋肉骨が衰えたこと、重力という力の刺激も、杜仲茶を飲む科学的刺激もコラーゲンを蘇生させることができるということを世界で初めて明らかにしたこと、ラットの実験で単なるコラーゲンよりコラーゲン+杜仲葉+高麗人参+αのほうが皮膚のターンオーバーが35%も高いことを説明したお話でした。非常に興味深いお話で、高橋博士の「より若々しく、より美しく、より輝かしく、命の限り健康に生きる」と言う目標はまさに薬膳勉強をしている私達、皆の目標でもあると深く共鳴を感じました。
 それから日本大学医学部脳神経外科酒谷薫先生の講演『中国伝統医学における脳と心と身体』は、陰陽学説の意味することすべてが太極図に示されていて、重要なのは白(陽)と黒(陰)の中に反対要素である極化点が存在すること(太極図と人体のスライドは深く印象に残りました)、これにより人間を含め世界は無限に陰陽に分割されること、部分が全体を示すというフラクタルな世界観であること、中医学で舌や目の中に全身状態が反映されているという考えも人体がフラクタルな構造を持つと仮定すると理解できるというお話でした。私自身、体調が良くなると実感した足ツボマッサージも、足の各部位が身体の各部分と内蔵を反映する反射区であることもフラクタルな世界観でみれば、より納得できるんだなと思わず頷けました。
 講演後のクラシックタイムと写真撮影時間はリラックスして、頭を休ませることが出来ました。懇親会パーティでは美味しいバイキング料理と薬膳料理を食べながら(珍しい蠍揚げ物と魚鱗コラーゲンとオカラクッキーも試食試飲しました。)、同じテーブル同士で料理の話、薬膳本の話、薬膳勉強の話など、いろんなお話をしました。そのうち静岡の慶徳千代子先生と「帰りは東京まで一緒にJRに乗りましょう」と約束し、シンポジウムが終わって、皆さんとお別れして、東京まで同行する途中でお話をたくさんしました。「またいつか会えますよね。」と東京駅で別れましたが、今思い出しても、とても楽しい出会いでした。
 帰りの新幹線の中で、1時間半の間、分厚い論文集と資料をずっと読んでいて、ふと気がついたのです。朝早くからの一日、シンポジウムで午前と午後と講演をたくさん聴いて、頭をたくさん使ったのに、疲れを感じるところか、頭がとても冴えていて、文字に目を通すのがとても早い!「こんなに頭が冴えているのは本当に珍しい!何だろう?前の日に作って、2回食べた薬膳料理「長白人参補益スープ」がこんなに効くのか、あるいは今日のお昼と懇親会パーティの薬膳料理が効いたのか、両方が効いたんだろうな」、などいろいろ考えながら、改めて薬膳の効果に感心し、薬膳の勉強を始めて良かったと思いました。薬膳にたっぷり「浸かった」楽しい一日でした。
 新潟県内国際薬膳師1号の柳原房江先生に「新潟国際薬膳師2号になってね!」と励まされ、2、3年後にゆっくり受験しようという考えを変えて、早く受験できるように薬膳勉強をもっと頑張ろうと、気を引き締められた一日でもありました。
 シンポジウムの主催側、学院長の劉先生と他の先生方、立派なシンポジウムを主催し、いろんな面で視野を広げることができる薬膳勉強の貴重なチャンスを与えてくださって、ありがとうございました。シンポジウムの日は本当にお疲れ様でした。