中医営養薬膳学は中医学の理論に従い、食物またはそのほかの自然物質を応用し、健康、疾病の予防及び補助治療、健康の回復と促進、老化防止などに関する学科である。
 営には“営、治也”、求める;
 養には“養、長也”、補養、生長の意味がある。
 営養は生命体が生命を維持し、生活して行くために、体外から適度な物質を取り入れて、身体を成長させ、機能を保ち、エネルギーを取ること。つまり、食物や養分を摂取、消化、吸収、利用などのすべての過程を指している。
 営養学は生命の維持及び心身の健康を保つために、営養の状態や必要度について研究する学問である。
 中国では日常の生活中に、中医学の知恵を活用し、必要な食物、中薬を取り入れることに従って新しい生命体の発育、生長を促進させ、健康、長寿を守ってくれるのは中医営養薬膳学である。 
 百年ぐらい歴史がある西洋営養学と比べ、中医営養薬膳学の学術はすでに二千年あまりの歴史を持っている。西洋営養学は食物の成分を分析して、栄養素を糖質、脂質、蛋白質、ビタミン、無機質、水の六大栄養素に分けられていて、それらについて代謝、身体に対する意義などを説明している。中医営養薬膳学として食物に対する研究は食物の性質、味、加工などの特徴によって食物の帰属、機能、応用を追求しながら生命体の年齢、生活環境、性別、体質、体調などに合わせるよい食生活を提案している。中医西医の営養学を統合すれば、私達の身体と心身の成長、健康、長寿にもっと役に立つでしょう。

正気
人体の機能活動及び身体が自然環境の変化に応じる調節能力と病気に対する抵抗能力と回復能力が含まれています。
邪気
すべての病気を引き起こす原因を指しています。
六気
自然界の風、寒、暑、湿、燥、火の六種類の異なった気候変化を指しています。六気の運動変化により一年中の気候を決定します。身体の正気はこの四季六気の変化に応じて活動を行い、病気が発生しません。
六淫邪気
六気の異常変動、例えば、暑かったり、寒かったり、伝染病が流行ったりする時に、人体の正気の防衛能力を超える場合、或いは正気が虚弱し、一般的な六気の変化にも応じなくなり、病気が発生します。この時六淫邪気と言われます。実際、六淫邪気は外来の邪気の総称となっています。
食用
(食節)
食用は時間、場所、人物によって食物の量、回数、時間、季節などのそれぞれの場合に応じて正確に選択することを含む。好き嫌いをしないことと適量であることを勧める。例えば、日本は島国としてよく漬物、魚貝類を食べるが、中国は大陸なので肉類、野菜をよく食べる。
食養
(食補)
生命体が生命活動を維持するために、食べ物を摂取、消化、吸収、利用し身体を補養する過程である。食養の対象は正常な人である。例えば、美容、増毛、痩身、強壮、補腎、壮陽、老化防止などの補養作用を挙げられる。
食療
(食治)
食物を用いて、その食物の効能により、疾病を治療する、或は治療補佐の作用があることである。食療の対象は病を持っている人である。中医食療は昔から疾病を防ぎ、病気を治す手段として一般の家庭で常用されている。用いるものは全て食物である。白がゆ、雑炊、ラーメン、鶏スープなどがあり、これは体が弱い人や病人の回復にとって良いものである。高血圧の人がセロリを食べさせて、補助治療の働きがある。食べ過ぎる時に、大根の消化を促進、通便させる働きにより解決ができる。
薬膳
伝統的な食療のうえに、中薬を加えて作った、病を治す料理は薬膳と称されている。効果は中薬が出すことになっている。簡単に言うと、薬と膳を合わせるものである。薬は所謂中薬、膳は料理、つまり中薬を利用して作られた料理という意味であるが、≪薬膳大全≫(1987年)によると、「中医学理論のもとに薬物と食物を配合し、調理加工し、病気の予防と治療に効果があり、健康の保持と増進に有効な美味しい食」とされている。
食忌
(食禁)
中医学の飲食禁忌には、飲食と体質、飲食と病気、食物と薬物、食物と食物の間の禁忌が含まれている。これも中医の栄養学の一つ特徴である。人、場所、時間、疾病によって違いを持つから、食べられるものと食べられないものがあり、食生活の中に注意するべきである。